さて、以前ちょっと触れたヴァイスシュバルツ(以下WS)は本当に"運ゲー”なのか?について語ってみたいと思います。
その前に、そもそも何を持ってそのゲームを"運ゲー"とするのか?について考えてみましょう。
個人的な考えとしては、まず『トレーディングカードゲーム(以下TCG)は全て"運ゲー"』だと思ってます。
だって、毎ターン山札からランダムにカードを引いてる段階でどう考えたって運の要素はあるでしょう?
理不尽なまでのトップドロー、いつまでたっても引けないキーカード…ちょっとTCGをやった人は誰でも思い当たる所があるはずです。
運の要素があるゲームを"運ゲー"と呼称するのであれば、大半のTCGは全て運ゲーになるでしょう。
しかし、TCGの中にはほとんど"運ゲー"という言葉の出ないものから、『このTCGマジ運ゲーだよ』という発言をよく聞くものもあります。
その違いは何なのでしょうか?
それを私は『実力差をどれだけ運で引っくり返せるかどうか』だと考えています。
ものすごい極論ですが、百人一首の札を使ってやる坊主めくりというあのゲーム。
あれなんかは完全な運ゲーです。
何せ引くカードは完全なランダム、ルールは単純カードを引くだけでは戦略も戦術もあったもんじゃありません。
なので、初心者上級者の区別もなく、大人子供の区別もなく誰でも出来ますし、誰でも勝てます。
一方、TCGは先ほど述べた様にゲームによっていくつかのランダム要素(山札からのドローやダイス、コインなど)が存在します。
それでも、私自身過去に十数種類のTCGをプレイしてきましたが、ほとんどのTCGは完全に実力がモノを言うゲームです。
確かに実力が同じ者同士の勝負では、そのランダム要素が勝敗を分けることは多々ありますが、しかしそのランダム要素によって実力に差のある者同士の勝負で格下が格上に勝つ事はほとんどありませんでした(それでもたまにはあるのですが…)。
つまり、"運ゲーと"はその"たまに"の比率が他のTCGに比べて高いTCGに対して使われるものなのでではないでしょうか?。
それでは、WSの"たまに"比率は他のTCGより高いのでしょうか?
私は『それは違う』と答えます。
確かに相手の与えてくるダメージをクライマックスカードが見えればキャンセル出来る…というゲームシステム自体は一見"運ゲー"に思えなくもありません。
しかし、デッキに8枚という枠が決まっている以上、お互いのキャンセルする数は一緒です。
もちろんクライマックスカードをドローしてしまうことだってあるでしょうが、その場合は手札から使用することで強力な効果を使用出来るのですから、引いてしまうことによるメリットデメリットは、まあトントンでしょう。
個人的にはモンコレのダイスと同じくらいのランダム要素だと思っています。
…え…それって、相当"運ゲー"なんじゃぁ…と思った方に言っておきますが、モンコレはダイスというランダム要素を採用する代わりに、他のランダム要素を極力排除しているため、実際はほとんどプレイヤーの実力やデッキ構築によって勝敗が左右されるゲームです。
むしろ、個人的にはマジックザギャザリング(以下MtG)やガンダムウォー(以下GW)の土地事故やG事故の方がよほど"運ゲー"な気がします。
自分がMtGやGWをやっていた時も、明らかに自分より格上の相手を、相手が事故を起こしている間に倒してしまった…ということがよくありました。
……すいません、話が脱線しました。
自分が実際にWSをプレイした感想としては『運の要素は存在するが、それはゲームを面白くするものであってつまらなくするものではない』『勝負を決するのは細かいプレイングとデッキ構築力だ』…といった感じです。
プレイ中に自分が勝った試合、負けた試合を考えてみると『相手にクライマックスでこちらのアタックがキャンセルされた性で負けた』といったことはほとんどなく、むしろ『デッキ構築力の差による敗北』や『プレイスキルの差による勝利』といった部分の方を色濃く感じました。
では、何故このゲームはことあるごとに"運ゲー"と言われ続けるのでしょうか?
一つは発売元である株式会社ブシロード社長 木谷高明氏が、事前のユーザーカンファレンスで事あるごとに"運ゲー"を連呼していたからでしょう。
私もユーザーカンファレンスに参加しましたが、そこでも木谷氏はことあるごとに"運ゲー"だから初心者も安心…と、いった主旨の発言をされていました。
おそらくは『初心者にも始めやすいよ?』といった意味合いで"運ゲー"という言葉を使ったのだと思われますが、TCGプレイヤーにとって"運ゲー"というのはあまり良い意味では使われません。
むしろ『運の要素で決着がつきやすいダメなゲーム』といった意味合いで使われる言葉です。
これを『クライマックスのキャンセルによるドキドキ感の演出』などと言えばよかったのでしょうが、そこで"運ゲー"という言葉を使ってしまったために、既存のそういった言葉に強い拒否感を持つTCGプレイヤーに過剰にネット上で叩かれる理由になってしまったのでしょう。
もう一つはトライアルデッキの存在です。
最初に断っておくとトライアルデッキの発売が悪かったわけではありません。
私自身はトライアルデッキという存在は非常に良い物であると思っていますし、新規TCGを出す会社はどこも見習うべきシステムだと思っています。
しかし、WSに関してはそれがやや裏目に出た感じがあります。
それと言うのも、このゲームはデッキ構築が重要な意味を持ちます。
ですが、トライアルデッキという限られたカードプールでは同じようなデッキしか出来ません。
さらに発売直後ですから、プレイングスキルにもそう差が出ません。
さすがにそんな状況では、運の要素で決着が着く場面が多くなるのは当たり前です。
結果として木谷氏のちょっと斜めったプロモーションとトライアルデッキというあまりにも限定され過ぎた環境が『WSは"運ゲー"』という結論にいきついたでしょう。
もちろん実際に本製品が発売され、相当な研究をするプレイヤーが現れた現在では『WSは"運ゲー"』というのは的確な表現ではなくなっています。
私自身も木谷氏の発言とトライアルデッキで遊んだ段階では『マジWS"運ゲー"』と言っていたのですが、実際に本製品で遊んでみると割とアドバンテージの取り合いが面白いゲームだと思いました。
クライマックスも"運ゲー"を助長する…と言うよりもドキドキ感を演出するための素材としての方が強い感じがします。
大会でもクライマックスが見えることに一喜一憂する人の姿が見えて非常に楽しそうですしね。
さて、長々とこういう記事を書いてきましたが、何故そもそもこういった記事を書いたのかというと、前述した『マジWS"運ゲー"』という自論を訂正するため。
それと未だにネット上などに流布する『WSは"運ゲー"』という情報を少しでも訂正出来ればと思ったからです。
実際に遊んでみたら結構面白かったですからね。
キャラ系TCGではありますが、どれか一つくらい気に入った作品があるなら買ってみてもいいと思います。
ちなみに私は現在発売している作品はどれも知りませんが、ゲームシステムだけでそれなり楽しく遊んでいます。
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